概要
PLAの弱点である耐熱性、強度を大幅に改善したフィラメントです。市販のPLAフィラメントでも最高レベルの強度と耐熱性を持っています。ガラス繊維30%充填により樹脂の収縮が抑えられており、反りが極めて少なくなっています。強度・耐熱性が求められる部品の製作、オーバーハングが大きい造形、大サイズの造形に適しています。研磨などの後加工が容易で、塗料密着性が良好であるため塗装に向いています。
エンプラに匹敵する機械特性・耐熱性があり、積層強度が高いため金属代替としての部品製作も可能です。
剛性があるためフィラメントハンドリングがやや難しく、耐熱性や機械特性を引き出すには
アニール処理が必要になります。摩耗対策されたノズル、ドライブロールのご使用をお勧めします。エンジニアリング用途のPLAです。上級者向けのフィラメントとお考え下さい。
造形用途以外に、ガラス繊維のかき取り効果を活かしてクリーニング用のフィラメントとしてもご使用いただけます。
ガラス繊維の安全性について
LFG30で造形した3Dプリントモールドでの鋳造
趣味テックオンライン様で取り上げていただきました!
特長
強度、耐衝撃性に優れる(*1)
耐熱温度160℃ (*2)
造形中の反り・ベッド剥がれが少ない。オーバーハング角度が大きくても造形可能
造形品の後加工性に優れる
塗料密着性が良好。高温焼き付け塗装可
吸水率が低いため、吸水によるフィラメント劣化が極めて少ない(*3)
(*1) 一般PLA比で引張強度1.5倍、曲げ弾性率2.2倍、耐衝撃3.8倍。
アニール処理後
(*2) 荷重たわみ温度 160℃@0.45MPa。耐熱性を上げるには
アニール処理が必要です。
(*3) 吸水率が一般PLA比で1/7。6カ月フィラメント大気放置でも造形品への外観影響なし。
PLAフィラメントで最高レベルの強度と耐熱性があります
ガラス繊維30%充填各種樹脂コンパウンド比較
LFG30はノズルクリーニング用フィラメントとしてもお使いいただけます。
配合しているガラス繊維が頑固な汚れを強力にかき取ります。 通常の洗浄方法では不十分な場合、クリーニングを簡素化したい場合におすすめです。
こんな時に有効です
樹脂が劣化して焼き付いた炭化異物の除去
壁面に張り付いたフィラー微粒子の除去(金属粉、木粉、グリッターなど)
金属親和性が強い顔料・染料の除去(いつまでも色が抜けない場合)
樹脂切り替えで取り切れない材料の除去(ABSの臭気が残るなど)
ノズルからの吐出が安定しない場合
温度を200~240℃に設定し、ノズルの状態を確認しながら100mm程度手動で押し込んでください。
ガラス繊維強化PLA LFG30
材料
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ガラス繊維強化PLA
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フィラメント径
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1.75mm
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推奨プリント条件
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ホットエンド:210~240℃
ヒートベッド:常温~35℃
吐出後すぐに固化するためベッドに定着しにくい場合があります。この場合はベッドとノズルのクリアランスを小さくすると定着しやすくなります。
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推奨ノズル径
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0.4mm
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LFG30(ガラス繊維強化PLAフィラメント)設定例
プリンタとスライサーの設定例についてご紹介しています。
200℃より低い温度で使用すると押出抵抗が大きくなり、ドライブロール、ノズルの摩耗が激しくなりますのでご注意ください。
テープなどで仮止めしてから結束バンドを外してください。拘束しないとフィラメントがばらけて絡まる可能性があります。
φ120mmより小さいスプールへの巻替えは避けてください(フィラメントが折れます)。
造形例
75度オーバーハングテスト。裏面も先端までだれることなく造形できます。
ネジ止めしても積層割れしにくい特性があります。